はしやんソフト

#1から始めるウィザードリィ
第61話 「ワードナの弟子たち」

初版:2003年06月29日
更新:2003年06月29日

S)TORY

通路の向こう側から、深い蒼のローブに身を包んだ数人が、ふらふらと足元が定まらないアンデッドのように1歩、また1歩とパーティの方に近づきつつあった。
ロクリスは、かつてないプレッシャーを感じていた。離れていても、彼らの持つ強大な魔力はひしひしと伝わってくる。体の制御ができなくなるほどの魔力に満ち、納まりきれずに放出された魔力は周囲の空気を歪めている。

魔法使いのユウとパラパラが欠けている今、まともに戦っても勝てる見込みはない。パーティは、距離をとってそのまま撤退することを選んだ。
ローブの男たちは、後退を始めたロクリスたちを追う素振りもなく、その場で立ち止まって呪文の詠唱を始めた。

ロクリス(やつらの視界から消えるまで1発は覚悟しなきゃいけないな)

ユウを背負ったアイリーンの前に立ち、庇いながら後退するロクリス。 そんな状態のパーティに、ローブの男たちの魔法が襲いかかった。
だが、魔法はロクリスたちを狙って発せられたものではなかった。 炎の嵐や凍てつくような吹雪が、ロクリスたちの退路に吹き荒れる。

デーブ「どうやら私たちを見逃がしてくれる気はないようですね…」
ロクリス「だな…」

ロクリス「デーブ、アイリーンを頼む…。いくぞソドム!」
ソドム「オーケー!カミカゼジョートー!」

剣を構え、ロクリスとソドムがローブの男たちに突進する。 だが、ローブの男たちの呪文は、2人の戦士をいとも容易く弾き飛ばした。
床といわず壁といわず、2人は立ち上がるたびに強烈に叩きつけられた。

この模様を10階のワードナとヴァンパイア・ロードは水晶球を通して覗き見ていた。

ヴァンパイア・ロード「そろそろいいかしらね。」
ワードナ「あれは?」

ワードナは、ローブの男の1人が掲げた杖に興味を持った。

ヴァンパイア・ロード「あれには、死体をサキュバスとして転生させる力が込められているの。面白いショーが見られるわよ」


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