S)TORY
救出パーティが再編成された。ロクリスの代わりにサワダ、アイリーンの代わりにエチゼンが入り、
サワダ、ソドム、ウェンディ、エチゼン、ユウの構成に。戦士が3人で、エチゼンもそこそこ戦える。
かなり有望なパーティだ。
だが、この期待のパーティも10階でポイズンジャイアントの奇襲を受け、あっけなく全滅。
ロクリスがいるといないでこうも違うものなのか…。
地上に残ったのは、ロクリス、パラパラ、アイリーンの3人。
ギルガメッシュの酒場でも冒険者に恵まれず、結局この3人で救助パーティが編成された。
アイリーンは、できるだけロクリスとのパーティを避けたかったようだ。
ガーヴと瓜二つのロクリスから、何か言い知れぬものを感じるからだ。
ガーヴの死体をワードナが利用しているのかもしれない、そう考えたこともあった。
だが、今はそんなことを言っている余裕はない。迷宮の最下層で親友が倒れているのだから。
そして救出にはロクリスの力が不可欠なのだ。
無事10階まで辿り着いた3人。アイリーンのKANDIを頼りにユウの元に急ぐ。
アイリーン「この角を左よ」
アイリーンの言う通り、そこにユウたちが倒れていた。
だが、その周りには緑や紫の体液を滴らせたポイズンジャイアントが数匹…。
アイリーンたちに気付いたようだが見向きもせず、ポイズンジャイアントたちの視線はユウたちの死体に向けられていた。
ロクリス「まずいな…。援護してくれ!」
そういって単身、ポイズンジャイアントの群れに突進するロクリス。
アイリーン「無茶だわ!」
ロクリス「友達がエサになるのを見たいのか!?」
アイリーン「!!」
ロクリスの言葉で毒の巨人の目的を知ったアイリーンは、慌てて呪文の詠唱を始めた。パラパラもそれに続く。
アイリーンのBAMATUで力を得たロクリスはポイズンジャイアントの攻撃をかわし、1匹また1匹と確実に仕留めていく。
パラパラのKATINOにもかなり助けられているようだ。
ズシーン…。大きな音を立てて最後のポイズンジャイアントが沈んだ。
援護魔法もそこで止む。戦闘を終え、満足げな表情で振り向くロクリス。
だが、振り返った彼が見たものは、毒のブレスに倒れたアイリーンとパラパラの姿であった。
援護魔法が止んだのはユウの周りの魔物を退けたからではない、新たに現れた別のポインジャイアントの群れに2人が倒されたからだ。
ロクリス「チッ」
毒の巨人の群れを睨みつけながら、ロクリスはゆっくりと剣を構えなおした。