はしやんソフト

#1から始めるウィザードリィ
第54話 「1人パーティ」

初版:2001年09月06日
更新:2003年06月21日

S)TORY

新たに現れた毒の巨人たちもまた、ロクリスによって倒された。 さすがのロクリスも肩で息をしていた。あれだけの数のポイズンジャイアントを1人で相手にしたのだから無理も無い。
ロクリスは、アイリーンたちの死体をダンジョンの目立たない場所に移した後、部屋の脇にあったテレポーターで地上に戻った。

ロクリスが仲間の死体を持ち帰らなかったのは、単純に生き返らせるための持ち合わせがなかったからだ。 エチゼンやアイリーンといった高レベルの冒険者を生き返らせるためには、かなりの額の費用が必要なのである。
ロクリスが最初に向かったのは、ギルガメッシュの酒場だった。 彼としては、とにかくプリーストを仲間に加えたい一心だった。 プリーストがいなければアイリーンたちを助けるどころか、今自分が負っている傷を治すことすらできない。
だが、酒場の中にはいたのは飲んだくれた店主だけだった。

店主「なにが痛みだ、ちくしょー、コノヤロー。誰も来なくなっちまったじゃねーか」

この街を訪れる冒険者が減っているとは聞いていたが、まさかここまで深刻とは…。 しかたなくロクリスは酒場を後にした。

ロクリスが次に向かったのは冒険者の宿だった。僧侶がいない今、体力を回復するのには宿以外にないからだ。
途中、カントの寺院の前を通り過ぎるロクリス。なにやら寺院の僧侶どもが慌しく走り回っている。 あんなに僧侶がいるなら1人くらいタダで回復してくれてもいいのに…。

冒険者の宿についたロクリスは、簡易寝台を指定して部屋に入った。 ギルガメッシュと同様にガラガラで、彼が入った相部屋用の部屋も「貸切」だった。
ベッドに横になり、すぐに眠りに就くロクリス。

ロクリス「どうか、誕生日が来ませんように」


D)ICTIONARY

痛み
狂王トレボーはリルガミン市の悪化した財政を回復させるため、市民にも回復への負担を強いた。時事ネタ。

どうか、誕生日が来ませんように
ウィザードリィでは宿に泊まると稀に「誕生日おめでとう!」というメッセージが出て、歳を取ることがある。歳を取ると老化で能力値が低下し、寿命に達するとLOSTしてしまう。宿屋に泊まる時も命がけだ。


P)RECEDING STORY T)OP N)EXT STORY