はしやんソフト

#1から始めるウィザードリィ
第45話 「ドラゴンスレイヤー」

初版:2001年07月01日
更新:2003年06月21日

S)TORY

それから数時間後。9階のエレベータが開いた。 オカサーファー、デーブ、エチゼン、フォン、そして復活したおんぷ。 ガーヴを助けるため、彼らは戻ってきた。

エレベータを降りた直後、彼らの耳に魔物の咆哮が飛び込んできた。 それは間違いなくドラゴンのものだった。ガーヴはドラゴンをやられてしまったのだろうか。
KANDIでガーヴを探すエチゼン。しかしガーヴの反応はない。ダンジョンに入る前に寺院の死亡者名簿を見た時は、 確かに名前があったというのに…。
ドラゴンの声の方へと走り出すオカサーファー。他のメンバーもそれに続く。

先頭を行くオカサーファーが立ち止まった。「あの」ドラゴンだ。
ドラゴンは凶暴さを増しているようだった。狂ったように声を張り上げては、 灼熱のブレスをそこらじゅうに吐き散らす。足元には数体の死体が見える。大きさや形からして人間ではないようだ。
あまりにもドラゴンのブレスが激しいため、パーティは距離をとって魔法で応戦することにした。 エチゼン、フォン、おんぷ、それぞれの手から次々と攻撃魔法が撃ち出される。
しかし、ドラゴンの勢いは一向に収まらなかった。 距離があるとはいえ、灼熱のブレスはパーティの体力を確実に奪っていった。 体力の少ないデーブは既に瀕死の状態、魔法使いたちは体力だけでなく魔力まで尽きようとしていた。
そんな状況の中、ワースレイヤーを構えてオカサーファーが飛び出した。

エチゼン「無茶だぜ!…ブレスが来るぞ!気をつけろよ!」

灼熱のブレスを寸ででかわすオカサーファー。ドラゴンとの距離が少しづつ縮まっていく。
すぐに2度目のブレス。一瞬反応が遅れたため、オカサーファーの左腕は炎に飲み込まれてしまった。 だが彼の腕に痛みはない。彼の腕を包むまばゆい光、それは、エチゼンが残りわずかな魔力で唱えた最後のDIOSだった。
さらに息を大きく吸い込むドラゴン。だが3度目のブレスが来るより速くオカサーファーはドラゴンの懐へと飛び込んだ。
ワースレイヤーを振りかぶるオカサーファー。しかし、何を思ったか彼はワースレイヤーを振り下ろさずに、ドラゴンとの距離をとった。

エチゼン「!?」

次の瞬間、真紅のドラゴンは大きな音を立ててダンジョンの床に倒れた。 激しく床が揺れ、辺りの灰や埃が一斉に舞い上がる。

オカサーファーが攻撃をやめたのは、飛び込んだ時にドラゴンが既に死んでいたからだ。 白目を剥いて、ゆっくりと倒れ始めるドラゴン。オカサーファーはそれに気づき慌てて距離をとったのだ。
いったい何があったのか?なぜドラゴンは死んだのか?
答えはドラゴンの背中にあった。ドラゴンの背中に深々と突き刺さる一本の剣。 グリップには持ち主の名前が刻まれていた。
ガーヴ=ハシヤンソフト、と。


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