S)TORY
9階探索を開始してすぐのこと。オカサーファーが、ある「異変」に気づいた。
オカサーファー「この匂い…」
突然、炎に包まれるパーティ。背後からのブレスの奇襲である。
ブレスの主は、真紅のドラゴンだった。ワイバーンにも似た飛行タイプの比較的小柄なドラゴンだ(それでも人間と比べるとかなり大きい)。
おんぷが今のブレスの一撃で倒れた。一番後ろにいたために、ドラゴンブレスをもろに受けてしまったのだ。
エチゼンが応急処置の回復魔法を唱え、フォンが抱きかかえる。
ドラゴンの奇襲で窮地に立たされるパーティ。そんな中、ガーヴがドラゴンの前に進み出た。制止しようとするオカサーファー。
オカサーファー「ガーヴ!」
ガーヴ「魔法使い無しでヤツと戦うのは無謀過ぎる。ここは…オレが食い止める」
ガーヴの無謀な申し出に、断固反対するオカサーファー。
日頃無口なオカサーファーが必死でガーヴを説得している。
そうこうしているうちに、赤龍が次のブレスの体制に入った。
大きく息を吸い込み、ブレスの袋を思い切り膨張させている。ブレスの赤々としたマグマのような光は、ドラゴンの厚い皮膚の上からでも十分確認できるほどだ。
ガーヴ「早く!」
オカサーファー「…止むを得まい」
ガーヴ以外のメンバーが後退を始めた。
オカサーファー「ガーヴ!」
ガーヴ「後で生き返らせてくれば済む話さ」
他のメンバーが通路の角を曲がり、ガーヴの視界から消えた直後、2回目のブレスが浴びせられた。
ブレスの轟音がダンジョンに響く。直撃した壁は一瞬のうちに焼け焦げ、鼻を突く硫黄のような匂いが立ち込めた。
間一髪でブレスから逃れたガーヴは、体制を立て直してすぐに剣を構える。
そして、ブレスを吐き終えたドラゴンは…。今度はその巨体から想像もできないほどの凄まじいスピードでガーヴとの距離を詰めてきた。
ガーヴ「絶対に止める!」