はしやんソフト

#1から始めるウィザードリィ
第23話 「鎧の塊」

初版:2001年03月15日
更新:2003年06月21日

S)TORY

カシャーン、カシャーン

鎧の塊が、ゆっくりと迷宮の入り口目指して歩いている。

アイリーン「ユウ〜」

その声に鎧の塊が反応した。 振り向こうとして体勢を崩し、ものすごい音を立てて「それ」は倒れた。

アイリーン「あんた、なんて格好してるのよ」
ユウ「お兄ちゃんを助けにいかないと…」
アイリーン「そんな兜ニ重にかぶってしゃべったって、わかんないわよ」
ユウ「三重だよ」
アイリーン「…。とにかく、起きなさいよ。」

鎧の塊はガシャガシャと音を立てて、もがいた。

アイリーン「どうしたの?、起きなさいよ。」
ユウ「…うん」
アイリーン「…あんた、もしかして…」
ユウ「……うん」

呆れながら親友の重過ぎる防具を1つ1つ取り払うアイリーン。2人はやっと同じ目線で話ができるようになった。

アイリーン「あんた、1人で行くつもりだったでしょ?」
ユウ「…うん」
アイリーン「しかも、こんなガラクタ背負って…」
ユウ「ガラクタじゃないよ、これはハシヤンソフト家の…」
アイリーン「…はいはい。でも、あんた、魔法使いでしょ?」
ユウ「…うん」
アイリーン「はっきり言うけど、あんた1人で、ガーヴを助けるのは無理よ」
ユウ「アイちゃんも来てくれるの?」

アイリーンの返事を聞いて、歓喜するユウ。

ユウ「でも…僧侶と魔法使いだけじゃ無理だよね…」
アイリーン「あんたにしては珍しく頭働くじゃない。大丈夫、そう思ってちゃんと連れてきたから。」
ユウ「ほんと?」
アイリーン「お得意様がLOSTしてもいいの?ってパパに言ったら、お小遣いくれて。そのお金で雇ってきちゃった」

なんて娘だ。

アイリーン「ユウ、紹介するわ。みんな、でてきていいわよ」

木陰から姿を現す4人の男たち。その姿を見てユウの表情が曇りはじめた。


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