はしやんソフト

ロクリスの話は、雲を掴むような話にしか聞こえなかった。その壮絶な光景は、アイリーンの記憶には残っていない。 アイリーンの心に残るもの、それは友を失った後悔だけだ。

ロクリス「おれは行く」

ロクリスは立ち上がった。そして、おもむろに剣を抜き、グリップの辺りをアイリーンの前に突き出した。

ロクリス「この剣をもらった時、友達が何て言ったか覚えているか？」

目の前の剣のグリップには失った親友の兄の名が刻まれていた。 ユウは、兄の仇であるワードナを討つために、ロクリスに兄の形見を託したのだ。

ロクリス「おれはまだ、恩人との約束を果たしていない。それに…ワードナは恩人の仇にもなっちまった」

剣を納め、ロクリスは病室を出た。

それから数日後、パーティが再結成された。その中には、司祭服に身を包むアイリーンの姿も。 パーティは新たにセンドメールという魔法使いを加え、再び暗黒のダンジョンに挑む。

ユウ
グレーターデーモンに殺され、ワードナの弟子たちとの戦闘中に死体が失われた。ヴァンパイア・ロードの作り出したサキュバスの杖でサキュバスとして転生したが「カブケン」の力が彼女を正気に戻した。彼女は最期に、サキュバスとして親友と同士討ちするよりも、灰になって失われることを選んだ。

センドメール
魔法によって文書を別の場所に転送する装置を作り出したことで知られる魔法使い。以来、センドメール(Send Mail)を名乗る。