S)TORY
ユウ「サワダさん!サワダさん!」
ソドム「Why?サワダ」
扉の向こうからサワダが答える。
サワダ「こんな扉、あいつらには簡単に破られちまう…。ここはおれが時間を稼ぐからその間に逃げてくれ…。」
ユウ「そんな…」
ソドムが力づくで扉を開けようと試みる。
ソドム「ナゼダ!アカナイネ!」
ソドムたちからはわからないが、内側から扉の下に向けてサワダが剣を突き立てていたのだ。
サワダ「デーブ…こいつらを頼む…」
デーブ「…わかりました」
ユウ「デーブさん!」
詰め寄るユウに、首を横に振って見せるデーブ。扉が閉まる直前、一瞬だけサワダと目が合った。
デーブはそこで感じ取ったのだ。彼の覚悟を…。
扉越しに3人の足音が遠のくのを聞いて安心するサワダ。
サワダ「まさか、これを使う時が来るとはな…」
鎧を脱ぎ捨て、上半身裸でバンザイのポーズをとる。一瞬の沈黙。そして…。
サワダ「カミカゼー!!!」
怒声を張り上げながら鬼の形相でポイズンジャイアントに突進するサワダ。
そんなサワダに容赦なく、酸のブレスが浴びせられる。
サワダ「無駄だ、無駄だぁ!真空波動でも止められないこの奥義、貴様ら如きに止められるかぁ!」
再びサワダが吠える。
サワダ「カー、ミー、カー、ゼー、バンザーーーーーーーーーーーーーーイ!!!!」
「バンザイ」の声とともに「大爆発」が起きた。
目も開けられないほどの光が部屋を支配し、次いで爆音が響き渡る。
サワダと接触したポイズンジャイアントは粉々になり、やがて塵と消えた。
部屋の中央には、バンザイのポーズのまま立ち尽くすサワダの姿があった。
サワダ「東洋の神秘、思い知ったか!」
言い終えて崩れ落ちるサワダ。目は虚ろだが、まだわずかに息はある。
サワダ「故郷のみんな…、おれはまた勝ったぜ…」
それが彼の最期の言葉になった。