S)TORY
ガーヴたちの悲報は、カントの寺院を通じて、サワダたちにもたらされた。
カントの寺院が各フロアの死亡者を知らせるサービスを開始したのだ。
迷宮に出向く冒険者が減り、救出されずに終わるケースが多く、寺院の収益が減ったためだと噂されているが、
本当の理由を知るものは少ない。本当の理由、それは最高司祭の愛娘が一度とはいえ迷宮内で死亡したためである。
先の救出活動で、すっかり善の属性に染まったサワダたち一行は、早速ガーヴたちの救出に向かった。
アオのKANDIによれば、ガーヴたちは地下8Fのダークゾーンの中で全滅したようだ。
そこは冒険者の間でも「魔のダークゾーン」と呼ばれ、脱出方法はMALOR(転移)をおいて他にないという。
そこでアオは次のような作戦を提案した。
1.ガーヴたちの全滅場所まで行く。
2.アオがおんぷちゃんをDIで復活させる。
3.おんぷちゃんのMALORでダークゾーンの外に出る。
4.救出パーティにおんぷちゃんを加え、人数分繰り返す。
完璧な作戦である。
8Fに到着したパーティは、意を決してダークゾーンに突入。
ダークゾーンでは視界が効かないため、死体の捜索は困難を極めるはず…だったのだが、クロイツがあっさり発見した。やるなジイさん。
そして、おんぷちゃんを復活させるべく、アオがDIの詠唱を始めた。
アオ「我の前に横たわりし、変な紳士に好かれた、ちょっと可哀想なチャイドルよ。
今、再び息を吹き返し、その歌声で人々に安らぎを与えんことを!DI!」